運動・トレーニングとエネルギー代謝の関係

運動・トレーニングとエネルギー代謝の関係

こんにちは!

前回の記事でエネルギー代謝について説明しました。
ヒトは生きていく上でエネルギーは必要不可欠なもの!
そのエネルギーはATPがADPに分解される際に生まれます。
そしてそのATPを供給するためにATP-CP系、解糖系、有酸素系の3つの代謝機構があるということでした。

今回はそれらのエネルギー代謝機構は運動やトレーニングにおいてはどのような関係になっているのかをご紹介します!

運動におけるエネルギー代謝

運動を行うと、3つのエネルギー代謝系が活性化し、運動に必要なエネルギーを作り出します。
例えば、短時間・高強度の運動時にはATP-CP系がメインとしてエネルギーを作り出し、長期間・低強度の運動では有酸素系がメインとなります。
しかし実際には、3つのエネルギー産生経路は常にそのエネルギー供給比率を変えながら活性化しています。
この3つのエネルギー代謝系は運動能力、運動時間、エネルギー産生能力、呼吸循環系の能力、骨格筋の筋繊維比率などの因子によって規定されます。

長時間運動のエネルギー代謝

トレッドミルを使った走運動で、徐々に運動強度を挙げていく漸進負荷運動を行なった際、血中乳酸濃度が急激に増加する点があります。
この点を乳酸性作業閾値(LT)と呼びます。
LTは最大酸素摂取量の60〜70%程度の運動強度であり、これは換気性作業閾値(VT)と近い運動強度となります。
このLTの運動強度では、①エネルギー産生の貢献割合が有酸素系から解糖系へシフトし始める、②解糖系の亢進により、乳酸産生が乳酸酸化を上回る、③運動強度の増加に従い、速筋繊維の動員割合が増える、などの変化がみられます。

短時間運動のエネルギー代謝

一方で、ウエイトリフティングや短距離スプリント系の種目などは、ATP-CP系や解糖系のエネルギー貢献度が大きいスポーツになります。
これらの競技種目では、脂質を利用した有酸素系エネルギー代謝よりも、短時間に多くのエネルギーが得られるATP-CP系のエネルギー代謝能力がパフォーマンスの鍵を握ります。
その規定因子は、全身および動作に重要な骨格筋量、速筋繊維の割合、クレアチン及び筋グリコーゲンの保有量、ATP分解及び再合成に関わる酵素の活性能力などであります。

トレーニングとエネルギー代謝

トレーニングを行うとエネルギー代謝が改善されます。
競技スポーツで重要な点は、その競技がもつエネルギー代謝の特性を正確に把握することであります。
100m走と1500m走とでは、エネルギー産生における3つのエネルギー産生機構の貢献割合が異なります。
そのためトレーニングを設定する際にも、エネルギー代謝を向上させるプログラムについて十分に検討する必要があります。
またサッカーのような球技では、3つのエネルギー代謝機構を総合的に向上させる必要があります。
90分間走り続けられる能力が必要であり、1回のダッシュで相手選手に負けない瞬発力も必要となります。
スポーツ競技では、スキルや戦術が不可欠でありますが、それを支える基礎能力であるエネルギー代謝もまた重要となります。

パフォーマンスとエネルギー代謝

LTは、運動時におけるエネルギー代謝の局面が変わる点です。
したがって、LTがより高い選手は、より高い運動強度でもエネルギー代謝が安定しているといえます。

エネルギー代謝を向上させる要因

エネルギー代謝を向上させる要因を以下にあげます。

筋繊維の代謝特性

エネルギー代謝から見ると、骨格筋は①有酸素系筋繊維、②有酸素系+解糖系筋繊維、③解糖系筋繊維に分類されます。
エネルギー代謝の向上とは①と②と③の能力に近づくことを意味します。
つまり①有酸素系筋繊維がより大きな力を発揮する能力を獲得する、③解糖系筋繊維がミトコンドリアの増加など有酸素系筋繊維の能力を高めるなどです。

呼吸循環系

トレーニングを行うと、酸素摂取量やガス交換の効率が向上します。
また、運動時の循環血液における血球成分やホルモン分泌の亢進、末梢循環である毛細血管の拡充が起こります。
このような適応変化の全てが重なって、運動パフォーマンスの向上に貢献します。

酵素活性

骨格筋内のエネルギー産生は、エネルギー気質が分解されることによって進んでいきます。
この分解の触媒となるのが酵素です。
酵素は、単純にその総量だけでなく、活性能力によって、より多くのエネルギーを産生することが可能になります。
アスリートではこれらの酵素量/活性が高く、より多くのエネルギーを得ることが可能となります。

まとめ

運動やトレーニングにおいては運動時間や運動強度によってエネルギー供給機構の貢献割合が変化します。
それぞれの競技や、なりたい身体から考えてトレーニングをプログラミングしなければいけないということです。
トレーニングを行うことによってそれぞれの代謝能力は向上します。

このように考えればトレーニングを行うにも意味が見出せると思います。
例えば野球において単純に長時間走り込むことがパフォーマンス向上につながるのか?
(精神論など意図があるなら別として。)
ぜひトレーニングを行う際にはエネルギー代謝能力についても考えながら行ってみましょう!

大阪江坂カラダ改善専門パーソナルトレーニングジム
ARROWs
代表 西川朋希

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