スポーツ・フィットネスについての記事
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パフォーマンスピラミッド〜パフォーマンス向上の鍵〜
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パーソナルトレーニングで理想のカラダ|ダイエットだけ?
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トリプルエクステンション!〜アスリート必見〜
こんにちは!
東京オリンピックも間近に迫り、スポーツが盛り上がってくれることを願う今日この頃です。
どのスポーツも試合があったり無かったり、観客動員数が制限されたりと、100%の状態で行われていないという寂しい状況です。
そんななかでもアスリートはトレーニングを欠かすことはできません。
これはアスリートに限らず、スポーツ愛好家や学生アスリートも同じような状況だと思います。
できる限りではあるけれど試行錯誤して練習やトレーニングに励む人もたくさんいると思います。
そこで今回はスポーツパフォーマンスとトレーニングについてご紹介しようと思います。
テーマは「トリプルエクステンション」です!
トリプルエクステンションとは?
トリプルエクステンションとは下肢三関節(股関節、膝関節、足関節)の伸展(extension)動作を指します。
つまり、下半身が曲がっているのではなく伸びている状態、もしくは曲がっているところから伸ばしている状態です。具体的にはジャンプやダッシュ、短距離のスタートダッシュなど瞬発的な重心移動に必要不可欠な動きになります。
もちろんそれ以外の動作においても細かなところで自然と使われており、全スポーツにおいてパフォーマンスアップには鍛えたい要素になります。
なぜ大事なのか?
下肢三関節の伸展というのは、地面を強く踏み込むことによって重心を移動させる際に起こる動作です。
人間は地球上にいる限り重力がかかります。
そして重力があれば基本的には地面に足を接地している状態にあります。
作用反作用の法則というものがあり、地面に力を加えればそれと同じ力が地面から身体にかかります。
その力を利用して人間は移動をしています。つまり宇宙では踏ん張りがないので足が速いとか高くジャンプできるという概念すら無くなるのです。
地面に強く力を加えればそれだけ体に返ってくるエネルギーも大きくなります。
つまり強く踏み込むということです。踏み込む前には必ず下肢三関節は屈曲(曲がる)します。
高くジャンプする前にしゃがみ込む動作と思ってください。そこから強く踏み込み全身に力を伝えるために必要なのがトリプルエクステンションです!
高くジャンプしようと思っているのに膝が曲がっていたら高く飛べないですよね?ジャンプを例にしましたが、ダッシュやコンタクトスポーツのタックルの瞬間、相撲の立ち会いなど、全て地面からの力を利用して強い力を発揮して体に効率的に伝えているのです。
どのように鍛える?
トリプルエクステンションは自然な動きでもあり、動作のスキルでもあり、また筋力によってさらに向上させることができるので、トレーニングによってレベルアップさせることが可能です。
具体的にどのようなトレーニングを行うのか。
まずは自重のスクワットを少し速いテンポで上がる際に踵が浮くぐらいまで上に伸びきります。
これができればさらに勢いをつければ足は地面から離れます。
いわゆるジャンプという動作になります。これらのポイントは股関節、膝関節、足関節の3つの関節がしっかりと伸展していることです。
そこからさらに負荷をかけていきましょう。
例えばウエイトを担いだスクワットジャンプ、片足ジャンプやプライオメトリクス的トレーニング、クリーンやスナッチのようなパワー系トレーニングなどで応用できます!
まとめ
トリプルエクステンションとは下肢三関節(股関節、膝関節、足関節)の伸展によって爆発的な力を発揮し効率的に体全身に伝えて、重心移動させることです。
ジャンプ力の向上や瞬発的な力発揮などにはぜひ鍛えておきたい能力です!
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【腰痛】反り腰と言われたけどどうすればいいの?
こんにちは!
ARROWsでは機能改善や姿勢改善を得意としていますが、姿勢不良で多いのは「反り腰」です。
自覚がある人や、他人からよく言われるという人や、全く気づかなかったという人も様々ですが、経験からすると案外多くの人が反り腰だと思います。反り腰で一番厄介なのが腰痛です。
腰痛だから治療院に行ったら「反り腰だから体幹を鍛えましょう。」とだけ言われる人も多いと思います。今回はなぜ反り腰になるのか、反り腰だと何がいけないのかご説明します。
反り腰とは
そもそも反り腰とはどのような状態なのか。
これに明確な定義はないと思います。
さらに細かく言えば全員が反り腰だとしても色々なタイプの反り腰もあります。ここでは簡単にどのよう状態が反り腰なのかご紹介します。
(別の言い方をする人もたくさんいると思います。)真横から見た時にASIS(上前腸骨棘)とPSIS(上後腸骨棘)が1.5〜2横指程度です。
・・・これだと分かりにくいですよね。
骨盤を触って前にあるコリコリと後ろのコリコリの高さの差を見ます。
後ろのコリコリ(PSIS)の方が前のコリコリ(ASIS)指1.5〜2本分高い位置にあるのが正常です。しかしこれでは一人だとなかなか分かりにくいですよね。
もう1つの方法が、
壁にかかとから頭までベタっと背中をつけます。この時にお尻と背中は必ず壁につくと思います。
そして腰の部分が壁にはつかず少し隙間ができるはずです。
この時の隙間が手のひら一枚分であれば問題ありません。例えば拳が入りそうなくらいであればかなりの反り腰の疑いがあります。
この方法は簡単にできる分かりやすい方法かと思います。なぜ反り腰になるのか
ではなぜ反り腰になるのか?
これもまた人それぞれに原因があります。
そのため「反り腰はこのエクササイズで治ります!」みたいな謳い文句は実際に効果が出るかは人によって分かりません。(間違っているというわけではなく)
こればかりは個人個人見てみないと根本的には分かりません。しかしある程度の傾向というのはございます。
それが「Lower Crossed Syndrome(下位交差性症候群)」というものです。
これはどういうことかというと、真横から見た時にTight(かたい)とWeak(弱い)ところがクロスするような関係になっているということです。具体的には太ももの付け根から前側と背中はTightで、お腹とお尻の筋肉はWeskということです。
これは単純に筋肉が硬くなったりしているというかは日常生活での癖や習慣によって出来上がったものがほとんどです。
太ももの前側が張ったり、お尻が垂れたりお腹が出て見えるのも反り腰の方の特徴です。ちなみに同じように腰痛でお悩みの方も腰痛椎間板ヘルニアはまた違う理論になるのでコチラをご覧ください。
反り腰の改善方法
反り腰になる特徴がわかればそれに対して対処すればOKです。
例えばTightな太ももの付け根や前側、背中はフォームローラーでほぐしたり、ストレッチで伸ばしてあげると効果的です。
逆にお尻やお腹は鍛えてあげるのが効果的です。最近はSNSやメディアでもよく取り上げられ、みなさんがよくやるプランクも効果的です。
しかしお腹やお尻の力が抜けている状態で何分プランクをやっても反り腰・腰痛促進トレーニングになるだけです。
プランクの姿勢のまま腰が反らないようにお尻とお腹を締めてあげれば30秒するだけでもキツイはずです。もちろん日常生活で常に意識できればそれが一番です!
まとめ
反り腰の人は意外とたくさんいます。
そのなかでも腰痛など痛み症状が出てくると最悪ですよね。まずは自分が反り腰かどうかチェックしましょう。
もし反り腰であれば太ももの前側の柔軟性が失っていない確認しましょう。
お尻に力がはいらないや、お腹がポコっと出ていませんか?そして何よりも確実なのが専門家に診てもらうことですよ!!
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NSCAってどんな資格??
こんにちは!
現在トレーナーと呼ばれる方は全国にたくさんいます。
フィットネスクラブでもパーソナルトレーナーと呼ばれる方がいたり、スポーツ現場で働いているトレーナーもいます。ざっくり「トレーナー」という一言でまとめられていますが、正確には多種多様な仕事がございます。
パーソナルトレーナー、アスレティックトレーナー、ストレングス&コンディショニングトレーナー、さらには鍼灸師、柔道整復師、理学療法士などの国家資格を有したメディカルトレーナーであったり、様々なのです。それぞれに専門的な資格があります。
今回はパーソナルトレーナーやストレングス&コンディショニングトレーナーとして代表的な「NSCA」の資格についてご紹介します!
NSCAとは
NSCAとはNational Strength and Conditioning Associationという1978年にアメリカで設立されたストレングストレーニングとコンディショニングに関する国際的な教育団体です。
世界88の国と地域において会員が活動しており、この膨大な会員のネットワークをもとに、ストレングストレーニングとコンディショニングの実践と研究から得られた最先端の情報を、論文集、ジャーナル、ウェブサイト等を通じて世界中に配信し続けています。
NSCAは他の多くのスポーツ関連団体と異なり、スポーツ科学、各スポーツ競技、医療分野、フィットネス分野などの様々な専門家グループと共に、スポーツパフォーマンスとフィットネスの向上を目的とした、適切なストレングストレーニングとコンディショニングの活用という共通のゴールを目指して活動しています。
(NSCAジャパンHP参照)ストレングス&コンディショニングとは
NSCAの紹介の中でストレングス&コンディショニングという言葉が度々出てきましたが、そもそもストレングス&コンディショニングとはなんなのか?
ストレングス(Strength)とは、筋力、パワー、筋持久力のみならずスピード、バランス、コーディネーション等の筋機能が関わるすべての体力要素に不可欠な能力であり、単に力発揮の大きさを表すだけでなく、状況に応じて適切に筋活動をコントロールするための「神経-筋系全体の能力」と定義されます。
コンディショニング(Conditioning)とは、スポーツパフォーマンスを最大限に高めるために、筋力やパワーを向上させつつ、柔軟性、全身持久力など競技パフォーマンスに関連するすべての要素をトレーニングし、身体的な準備を整えることと定義されます。また、一般の人々にとっては、快適な日常生活を送るために、筋力や柔軟性、全身持久力をはじめとする種々の体力要素を総合的に調整することとなります。
(NSCAジャパンHP参照)つまり、アスリートやスポーツ愛好家にとってはスポーツに行うにあたって最適な理想の身体を手に入れるために体力要素を向上させること、一般の方も日常生活の質を向上させることになります。
NSCA-CPT・NSCA-CSCSとは
NSCAでは認定資格がございます。
それが「NSCA-CPT」と「NSCA-CSCS」の2つです。NSCA-CPTとは、健康と体力のあらゆるニーズに応える、パーソナルトレーナーの資格であり、NSCA-CSCSはスポーツパフォーマンス向上を目的とした、アスリートやチーム向けの資格とされています。
NSCA-CPTは、健康と体力のニーズに関して、評価・動機づけ・教育・トレーニングやコンディショニング全般の指導を行う、優れた専門的能力をもつ人材を認定する資格です。
指導対象者はアスリートだけでなく、年齢・性別・経験を問わず幅広い層に対してトレーニング指導を行います。そのため、NSCA-CPTはトレーニングの知識に加え、医学的、運動生理学的な専門知識とトレーニングの指導技術が必要となります。NSCA-CSCSは傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的とした、安全で効果的なトレーニングプログラムを計画・実行する知識と技能を有する人材を認定する資格です。
指導対象は主にアスリート、スポーツチームです。筋力トレーニングや他の体力要素の指導だけでなく、施設を運営、管理することも重要な職務となります。また、栄養、ドーピング、生活習慣に関する指導など、教育者的側面も併せ持っています。
(NSCAジャパンHP参照)受験資格にも違いがあり、NSCA-CPTは18歳以上で高卒以上、NSCA-CSCSは大卒であることが条件となります。
まとめ
トレーナーには多種多様な分類があり、そのなかでもパーソナルトレーナーやスポーツチームにおけるストレングス&コンディショニングトレーナーの代表的な資格としてNSCAの認定資格があります。
そのなかでもNSCA-CPTとNSCA-CSCSという2つがあり、メインの対象によって違いがあります。
資格を所有しているから凄い人!とは言い切れませんが、資格を取得しているということはその過程でかなりの勉強を積んできているので信頼できることは間違いありません!
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運動・トレーニングとエネルギー代謝の関係
こんにちは!
前回の記事でエネルギー代謝について説明しました。
ヒトは生きていく上でエネルギーは必要不可欠なもの!
そのエネルギーはATPがADPに分解される際に生まれます。
そしてそのATPを供給するためにATP-CP系、解糖系、有酸素系の3つの代謝機構があるということでした。今回はそれらのエネルギー代謝機構は運動やトレーニングにおいてはどのような関係になっているのかをご紹介します!
運動におけるエネルギー代謝
運動を行うと、3つのエネルギー代謝系が活性化し、運動に必要なエネルギーを作り出します。
例えば、短時間・高強度の運動時にはATP-CP系がメインとしてエネルギーを作り出し、長期間・低強度の運動では有酸素系がメインとなります。
しかし実際には、3つのエネルギー産生経路は常にそのエネルギー供給比率を変えながら活性化しています。
この3つのエネルギー代謝系は運動能力、運動時間、エネルギー産生能力、呼吸循環系の能力、骨格筋の筋繊維比率などの因子によって規定されます。長時間運動のエネルギー代謝
トレッドミルを使った走運動で、徐々に運動強度を挙げていく漸進負荷運動を行なった際、血中乳酸濃度が急激に増加する点があります。
この点を乳酸性作業閾値(LT)と呼びます。
LTは最大酸素摂取量の60〜70%程度の運動強度であり、これは換気性作業閾値(VT)と近い運動強度となります。
このLTの運動強度では、①エネルギー産生の貢献割合が有酸素系から解糖系へシフトし始める、②解糖系の亢進により、乳酸産生が乳酸酸化を上回る、③運動強度の増加に従い、速筋繊維の動員割合が増える、などの変化がみられます。短時間運動のエネルギー代謝
一方で、ウエイトリフティングや短距離スプリント系の種目などは、ATP-CP系や解糖系のエネルギー貢献度が大きいスポーツになります。
これらの競技種目では、脂質を利用した有酸素系エネルギー代謝よりも、短時間に多くのエネルギーが得られるATP-CP系のエネルギー代謝能力がパフォーマンスの鍵を握ります。
その規定因子は、全身および動作に重要な骨格筋量、速筋繊維の割合、クレアチン及び筋グリコーゲンの保有量、ATP分解及び再合成に関わる酵素の活性能力などであります。トレーニングとエネルギー代謝
トレーニングを行うとエネルギー代謝が改善されます。
競技スポーツで重要な点は、その競技がもつエネルギー代謝の特性を正確に把握することであります。
100m走と1500m走とでは、エネルギー産生における3つのエネルギー産生機構の貢献割合が異なります。
そのためトレーニングを設定する際にも、エネルギー代謝を向上させるプログラムについて十分に検討する必要があります。
またサッカーのような球技では、3つのエネルギー代謝機構を総合的に向上させる必要があります。
90分間走り続けられる能力が必要であり、1回のダッシュで相手選手に負けない瞬発力も必要となります。
スポーツ競技では、スキルや戦術が不可欠でありますが、それを支える基礎能力であるエネルギー代謝もまた重要となります。パフォーマンスとエネルギー代謝
LTは、運動時におけるエネルギー代謝の局面が変わる点です。
したがって、LTがより高い選手は、より高い運動強度でもエネルギー代謝が安定しているといえます。エネルギー代謝を向上させる要因
エネルギー代謝を向上させる要因を以下にあげます。
筋繊維の代謝特性
エネルギー代謝から見ると、骨格筋は①有酸素系筋繊維、②有酸素系+解糖系筋繊維、③解糖系筋繊維に分類されます。
エネルギー代謝の向上とは①と②と③の能力に近づくことを意味します。
つまり①有酸素系筋繊維がより大きな力を発揮する能力を獲得する、③解糖系筋繊維がミトコンドリアの増加など有酸素系筋繊維の能力を高めるなどです。呼吸循環系
トレーニングを行うと、酸素摂取量やガス交換の効率が向上します。
また、運動時の循環血液における血球成分やホルモン分泌の亢進、末梢循環である毛細血管の拡充が起こります。
このような適応変化の全てが重なって、運動パフォーマンスの向上に貢献します。酵素活性
骨格筋内のエネルギー産生は、エネルギー気質が分解されることによって進んでいきます。
この分解の触媒となるのが酵素です。
酵素は、単純にその総量だけでなく、活性能力によって、より多くのエネルギーを産生することが可能になります。
アスリートではこれらの酵素量/活性が高く、より多くのエネルギーを得ることが可能となります。まとめ
運動やトレーニングにおいては運動時間や運動強度によってエネルギー供給機構の貢献割合が変化します。
それぞれの競技や、なりたい身体から考えてトレーニングをプログラミングしなければいけないということです。
トレーニングを行うことによってそれぞれの代謝能力は向上します。このように考えればトレーニングを行うにも意味が見出せると思います。
例えば野球において単純に長時間走り込むことがパフォーマンス向上につながるのか?
(精神論など意図があるなら別として。)
ぜひトレーニングを行う際にはエネルギー代謝能力についても考えながら行ってみましょう! -
コーディネーショントレーニング〜ジュニアも高齢者も!〜