スポーツ・フィットネスについての記事
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コーディネーショントレーニング〜ジュニアも高齢者も!〜
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プライオメトリックトレーニングとは?〜ジャンプ力・瞬発力〜
こんにちは!
最近はSNSやTVなどのメディアの発達によりトレーニングの方法などは簡単に情報収集できます。
一般的な筋トレメニューなどはたくさんありますが、アスリートやスポーツする人はそれだけでは全然足りません!
そのうちの1つに瞬発力を鍛えるトレーニングがあります。どのスポーツにおいてもジャンプやダッシュ、踏み込みなどといった瞬発力は必要になります。
そしてその瞬発力を鍛えるトレーニングの方法の1つとして「プライオメトリックトレーニング」というものがあります!さらにプライオメトリックの要素をランニングやアジリティというスキルに結びつけていくのがSAQになります。
SAQについてはコチラで。今回はそんなプライオメトリックトレーニングについてご紹介します!
プライオメトリックとは
プライオメトリックエクササイズは、筋肉が最大の力を発揮するまでの時間を最短にするための活動を指します。
プライオメトリックとは、実践的には予備伸長、あるいは反動動作を用いて行われる、素早くパワフルな動作と定義されます。
プライオメトリックエクササイズの目的は、筋肉および腱にに備わる弾性要素と伸張反射の両方を利用することにより、その後に続く動作のパワーを増大させることであります。プライオメトリックスの力学と生理学
動作の機能性とスポーツ競技における成功は活動するすべての筋群の適切な機能とこれらの筋肉が力を発揮する際のスピードによって決まります。
この力とスピードの関係の定義に用いられる用語がパワーです!
プライオメトリックトレーニングを適切に実施すると、筋力とパワーの産生が改善されることが示されています。
このパワーの出力の増加は、力学的モデルと神経生理学的モデルという2つのモデルを使うことで最も適切に説明されます。プライオメトリックエクササイズの力学的モデル
力学的モデルでは、筋腱複合体における弾性エネルギーが急激なストレッチによって増大し、貯蔵されます。
この直後に短縮性筋活動が行われると、貯蔵された弾性エネルギーが放出され、発揮される力の合計が増加されるのです。
力学的モデルの多くの要素のうち、プライオメトリックエクササイズで重要な部分は直列弾性要素(SEC)です。
直列弾性要素には筋肉の要素もいくらか含まれますが、主体となるのは腱です。
伸張性筋活動で筋腱複合体が引き伸ばされると、直列弾性要素はバネのように引き伸ばされます。
引き伸ばされると、弾性エネルギーが貯蓄されます。
この伸張性筋活動の直後に短縮性筋活動が起こると、蓄積されたエネルギーが放出され、筋と腱が引き伸ばされていない本来の形状に戻る自然の働きによって直列弾性要素が発揮される力を増すことになります。
短縮性筋活動が伸張性筋活動の直後に行われなかったり、あるいは伸張性局面にかかる時間が長すぎる、必要とされる関節の可動範囲は大きすぎるといった場合には、貯蔵されたエネルギーは散逸し、熱として失われます。プライオメトリックエクササイズの神経生理学的モデル
神経生理学的モデルは、伸張反射による短縮性筋活動の増強効果を含みます。
伸張反射は筋肉を伸張させる外的刺激に対する身体の不随意的反応です。
プライオメトリックエクササイズにおける反射の要素は、主に筋紡錘の活動によって起こります。
筋紡錘は、伸張の速さと強さを感知する固有受容器で、素早い伸張を察知すると反射的に筋活動を増大させます。
プライオメトリックエクササイズの動作では、筋紡錘が素早い伸張によって刺激を受け、反射的な筋活動が生じます。
この反射的反応は主動筋の活動を増強あるいは増加させ、その結果、筋肉が発揮する力が高まるのです。
力学的モデルと同様に、筋肉の伸張の直後に短縮性筋活動が起こらなければ、伸張反射が持つ増強効果は無効となります。ストレッチ-ショートニングサイクル(SSC)
ストレッチ-ショートニングサイクルは、筋肉の直列弾性要素のエネルギー貯蔵能力と伸張反射の刺激を利用して、最短時間内で筋肉の動員を最大限に増加させることを促します。
ストレッチ-ショートニングサイクルは3つの局面に分けられます。
第1局面は、主働筋に予備負荷をかける伸張性局面です。
この局面で筋肉の直接弾性要素に弾性エネルギーが蓄積され、筋紡錘が刺激されます。
筋紡錘が伸張されると、タイプⅠa求心性神経を介して脊髄前根に信号が送られます。
イメージしやすいように走り幅跳びの例を挙げると、足の接地から身体が最も沈み込む時点までが伸張性局面となります。
第2局面は、伸張性局面と短縮性局面の間の時間であり、償却局面と呼ばれます。
これは伸張性局面終了から短縮性筋活動の開始までの時間であります。
伸張性筋活動から短縮性筋活動までの間には、時間的遅延が存在します。
その間にタイプⅠa求心性神経が、脊髄前根のα運動ニューロンにシナプス結合を介して伝達します。
その後α運動ニューロンは主働筋に振動を伝達します。
SSCにおけるこの局面は発揮されるパワーを増大させる上でおそらく最も重要であり、短く抑えられなければなりません。
この償却局面が長引けば、伸張性局面で蓄積されたエネルギーは熱として失われ、短縮性局面での筋活動は伸張反射により増強されません。
第3局面の短縮性局面では、伸張性局面と償却局面に対する身体の反応が起こります。
伸張性局面で筋肉の直列弾性要素に貯蔵されたエネルギーは、この局面における動作時の力の増強に使われるか、それでなければ熱として失われます。
この貯蔵された弾性エネルギーが加わることで、この短縮性局面では、短縮性筋活動のみによって発揮される力よりも大きな力は発生します。
これに加えて、α運動ニューロンが主働筋を刺激して反射的な短縮性金活動が生じます。
こうしたサブシステムの効率性が、プライオメトリックエクササイズの適切な実施に重要であります。まとめ
瞬発力やジャンプ力を鍛えたいというアスリートはたくさんいると思います。
そこで取り入れるべきなのがプライオメトリックトレーニングなのです。
今回はプライオメトリックというのはどういったものなのかを説明しました。
専門的な観点になりますが、知識とスキルを身につけるとよりよい効果が得られると思います!! -
コンディショニングとは??
こんにちは!
コロナウイルスの影響もありなかなか自由に出歩けない日々が続いていますね。。
そのためか2020年から世の中の健康志向が向上してきているように感じます!スポーツ業界なんかではよくコンディションやコンディショニングという言葉がありますが、健康志向が高まっている今だからこそたくさんの人にこの「コンディショニング」という意味の正しいところを理解していただきたいなと思います!
今回はそんなコンディショニングについて説明します!
コンディショニングの概念
コンディショニングとはトレーニングとの関係では「コンディショニングは、ある運動技術を高めるための体力を準備する過程であり、トレーニングは、その準備された体力を基礎にある特定の目的を持つスキルの習得を目指す過程である」とあります。
日本スポーツ協会では以下のようにコンディショニング、ならびにコンディションを定義づけています。●コンディション
「ピークオアフォーアンスの発揮に必要なすべての要因」
●コンディショニング
「ピークパフォーマンスの発揮に必要なすべての要因をある目的に向かって望ましい状況に整えること」いわゆるコンディショニングとは、身体的因子、環境的因子、心因的因子などパフォーマンスを向上させるすべての要因を加味し、なんの不安もなく競技、演技に集中し望める状態にする準備、手段といえます。
コンディショニングの目的
コンディショニングの目的は①パフォーマンスの向上、②怪我の予防の2つに集約できます。
身体・体力要素に対して総合的に実施する一般的なコンディショニングと各競技種目、特性に応じて実施する専門的コンディショニングを計画的、継続的に実施することにより、怪我をおこすことなく、目標とする競技活動で最高のパフォーマンスを発揮が可能となります。
コンディショニングは競技特性、競技者やチームの目標・戦術の確認、スケジュールなどを把握しコンディショニング方法を思考し、具体化します。
また長期、中期、短期という期間という概念をもちサポート計画を立てることも大切であります。
また同時にコンディショニング実施にけるリスクファクターについても整理しておくとよいとおもいます。コンディショニングは、あくまでも必要条件であり十分条件ではありません。
しかし競技成績は、競技力が同程度の相手との対戦であった場合にはコンディショニングの成否が勝敗、結果に大きく関係すると考えられます。
個人の記録競技においては、そのかかわる部分はさらに大きいと考えられます。
マラソンを例にとれば世界トップクラスの実力者であっても、コンディショニングがうまくいかなかった場合には記録、実力が出せないばかりか、完走すらできない場合もあります。コンディショニングの要素
コンディショニングをするための要素として、身体的因子、環境的因子、心因的因子の3つに分け考えることができます。
身体的因子
筋力、柔軟性(タイトネス、関節弛緩性)、関節不安定性、アライメント(動的、静的)、身体組成(体脂肪、除脂肪体重、体水分量、骨密度など)、神経系(バランス、神経筋協調性)、代謝系(無酸素系、解糖系、有酸素系)、技術(スキル、フォーム、動作)、免疫学的、オーバートレーニングなどがあります。
環境的因子
暑熱・寒冷環境、高所順化、時差対策、機内対策、食生活、用具、器具、施設、サーフェイス、睡眠などがあります。
心因的因子
対人関係、ストレスなど。
コンディションを崩す要因
トレーニング
競技者のコンディションを崩す最も大きな影響を及ぼすものがトレーニングです。
トレーニング量を増やしすぎた場合が多く、トレーニング量が少なすぎた場合コンディションが大きく崩れることは少ないが、トレーニング効果も大きく望めません。
トレーニング刺激に対して競技者個々の防衛体力を超えると怪我につながります。
コンディションを崩さずいかに質・量の多岐トレーニングを消化し、競技力向上に結びつけるかが大きな課題となります。ストレス
競技者のコンディションを崩す要因としてさまざまなストレスがあります。
・物理的、科学的ストレス
気温、湿度、気圧などの気象条件、大気汚染、水などがそれにあたります。
遠征先、大会期間中の諸条件を事前に確認し、対策を講じる必要があります。・生理的ストレス
スポーツ傷害、貧血などスポーツ医学的問題、睡眠不足、胃腸障害などが当たります。
日頃からの自己管理が重要な部分になります。・生物学的ストレス
ウイルス、細菌、減量、休養、時差、生活パターンがあたります。
遠征、大会など長期間の移動などによることが多いので、スケジューリング、移動中の対策、免疫機能を低下させないよう注意を払う必要があります。まとめ
なんとなくコンディションやコンディショニングという言葉を耳にしたことある人はたくさんいると思いますが、実際にどのような意味があるのか、またどのような考え方なのかは知らない人がたくさんだったと思います。
今回の内容も難しいですが、ぜひ自身の目的とするパフォーマンスやボディメイクに役立てばと思います!
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ピリオダイゼーションとは??②
こんにちは!
前回の記事でピリオダイゼーションについて説明しました。
簡単にまとめると、目的や目指す大会などに向けてピークのパフォーマンスを発揮できるようにどのタイミングでどのようなトレーニングを行うのか期分けして取り組む考え方を指します。今回はさらに競技に合わせたピリオダイゼーションの考え方についてもう少し踏み込んだ内容をご紹介します!
ピリオダイゼーションの競技シーズンへの適用
実践的には、ピリオダイゼーションプログラムでは、競技シーズンに応じて競技と選手個人の要求を十分に考慮して、トレーニングの強度や量を操作します。
それには短調さや飽きに陥らないように、もしくはそれらを最小限に抑えながら、十分な強度と量を得るためにはトレーニングに定期的な変化が必要となります。
高校、大学、プロの競技の年間スケジュールは、ほとんどがオフシーズン、プレシーズン、インシーズン、ポストシーズンというメゾサイクルから構成されています。オフシーズン
オフシーズンは、ポストシーズンと翌年のシーズンの最初の試合の6週前までの期間を指します。
このシーズンは、準備期のほとんどの期間が当てられ、長期間におよぶ場合にはさらに短い複数のメゾサイクルに分割されます。
このようなケースでは、選手は筋肥大・持久力段階と基礎筋力段階を2サイクル、あるいはそれ以上繰り返すことができ、競技によっては筋力・パワー段階が含まれることもあります。プレシーズン
次のプレシーズンは最初の試合に向かう時期であり、通常、準備期の最終段階と第一移行期に該当します。
インシーズン
試合期、もしくはインシーズンには、選手権大会を含む年間の全試合が含まれます。
ほとんどのスポーツのインシーズンは長期におよび、最も巡洋な試合に向けて複数のメゾサイクルを構成することがあります。
したがって、試合期が12〜16週以上に渡る場合には、トレーニングプログラムのデザイン上の困難が生じます。
その解決策の1つが、最も重要な試合に選手のパフォーマンスをピークに高めるために、試合期を3週間、または4週間の複数のメゾサイクルに分ける方法です。
重要な試合以外では選手のコンディションをピークにしないというわけではなく、最も重要な試合に向けたピーキングの時期は、トレーニングプログラムの強度をとくに高く、量を少なくするように調整します。
また、注程度の強度、少量から中程度のトレーニング量の維持プログラムを実施する方法もあります。ポストシーズン
最終の試合の後、翌年のオフシーズンの前に、ポストシーズン、第二移行期をおき、選手に積極的または相対的な休養を与えます。
さらに、短い積極的休養期は、ポストシーズンだけではなく、マクロサイクルの間にも用いることができます。
各メゾサイクルの後、次のメゾサイクルが始まる前に1週間程度の相対的休養のミクロサイクルを設定することができます。まとめ
前回の記事にはピリオダイゼーションというものについて説明しました。
今回はさらに競技のシーズンの流れに合わせたピリオダイゼーションの考え方について説明しました。
そしてもちろん必ずしもこの方法が適用されるかというとそうでもありません。
あくまでも基礎の考え方でありいかに実際に応用できるかということが重要となります。
ぜひ選手やご自身のパフォーマンスアップにご参考にしてください! -
ピリオダイゼーションとは?
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筋肉・神経系に対するトレーニング効果
こんにちは!
前回、前々回と筋肉のそもそもの仕組みについてご説明してきました!
今回はそれらを踏まえてトレーニングと筋肉、そして神経についてどのように絡んでいるのか説明していきます!レジスタンストレーニング
レジスタンストレーニングは用いる負荷の大きさや、動作様式に応じ、神経-筋系に様々な適応を引き起こします。
それぞれについて細かく説明していきます。神経系の適応
レジスタンストレーニングを開始して初期の間は通常、著しく筋力が増加しますが、筋横断面積の増加は緩やかです。
すなわち、この間には主に筋横断面積あたりの筋力が増加しているのです。
これは、神経系に適応が起こり、中枢神経系およびゴルジ腱反射などによる、筋力発揮の抑制が低減するためと解釈されています。
ある程度トレーニングされている選手などの場合、こうした神経系の適応を引き出すためには高強度(1RMの90%以上)のトレーニングが必要となります。筋肥大
神経系の適応が上限近くに達すると、筋横断面積の増大、すなわち筋肥大が起こるようになります。
筋肥大は、主としてタイプⅡ筋繊維の横断面積の増大によります。
トレーニング条件によっては、筋繊維の損傷とその再戦に伴い、筋繊維数の増加(筋繊維の増殖)も起こることが示唆されていますが、その程度は極めて小さいとされています。
タイプⅠ繊維の太さは、高強度のトレーニングでは変わりませんが、筋肥大を主目的とするトレーニングプロトコルでは若干増大します。
筋繊維の肥大とともに、筋内の結合組織断面積も増大しますが、一般的なトレーニングの場合、その増大の程度は筋繊維横断面積の増大と比例すると考えられています。
筋肥大には、筋内でのタンパク質合成の活性化が必要であります。
この過程には筋繊維が強く活動することのほか、内分泌系が活性化されることも重要となります。代謝的適応
筋繊維が繰り返し活動すると、その活動に有利になるよう、特定のタンパク質の合成が活性化すると考えられます。
レジスタンストレーニングは通常、無酸素性代謝に依存するので、無酸素性代謝に関連した酸素の合成が高まり、筋の無酸素性代謝能力が向上します。
一方、筋肥大のための中〜高強度、大容量のトレーニングを行うと、タイプⅡb繊維では、有酸素性代謝も高まり、徐々にタイプⅡa繊維に向かうサブタイプ移行が起こります。
また、筋繊維内のグリコーゲン量、クレアチンリン酸濃度の増大が起こり、これらも筋繊維の肥大にある程度関与すると考えられています。有酸素性持久力トレーニング
代謝的適応
有酸素性持久力トレーニングに対しては、筋肉は一般的にレジスタンストレーニングの場合と反対の適応を示します。
特に、すべてのタイプの筋繊維で有酸素性代謝に関連した酵素活動が上昇し、有酸素性代謝能力が向上します。
同時に、筋繊維内のミトコンドリア密度の上昇、筋内の毛細血管密度の上昇が起こります。
タイプⅡb繊維はタイプⅡa繊維を経て、最も有酸素性能力の高いタイプⅡc繊維に向かうサブタイプ移行を示します。
動物実験などではさらにタイプⅡcかたタイプⅠへのタイプ変換が起こりうるのですが、ヒトでは同様のことが起こるかは明らかにはなっていません。筋繊維のサイズ
適度な有酸素性持久力トレーニングでは、筋繊維の横断面積には著しい変化は起こりません。
しかし、高強度のトレーニングを長期間行うと、タイプⅠ繊維とタイプⅡc繊維では筋横断面積の減少が起こるとされています。
これは筋繊維が細いほど、酸素や代謝産物の拡散や輸送に都合が良く、そのための適応であると解釈されています。
こうしたことからも筋力やパワーが重要となる競技種目で、レジスタンストレーニングと有酸素性持久力トレーニングを組み合わせて行う際には、注意深いプログラムが必要であることがわかります。まとめ
ただトレーニングや運動をするだけでは、もしかすると理想としていた身体にはならないかもしれません。
どのようか身体になりたいかを描きそれに対して正しいトレーニングの選択が必要だということがわかります。
正しく目的に合ったトレーニングを行えば身体はそれに適応して進化してくれます。
ぜひご参考にしてください!! -
筋力発揮のメカニズム〜なぜ筋肉は動くのか?〜
こんにちは!
前回の投稿で筋肉そもそもについてご説明しました。
今回はそんな筋肉がどのようにして動くのかということを説明していきます!筋活動の調整と興奮-収縮関連
筋繊維内には、エネルギー源であるATPが常にほぼ一定量存在します。
したがって、筋活動をオンにしたりオフにしたりするのはATPの量的変化はなく、ほかの要因にあります。
この役割を果たしているのがカルシウムイオンです。
静止状態では、筋形質内のカルシウムイオン濃度は極めて低く、筋繊維が興奮して活動するときには静止状態の濃度の約100倍にまで増加します。
カルシウムイオンは細いフィラメント上にあるトロポニンに結合し、細いフィラメントの微細構造が変化してミオシン頭部と結合できるようになります。単収縮と強縮
実験場、1個の活動電位を筋繊維に生じさせたときに起こる1回の短い収縮を短収縮と呼びます。
一方繰り返し刺激によって、一連の活動電位を生じさせたときに起こる収縮を強縮と呼びます。
さらに低頻度の活動電位によって起こり、それぞれの短収縮のピークが分離しているものを不完全強縮、高頻度の活動電位によって起こり、張力発揮が滑らかなものを完全強縮と呼びます。
生理的条件下での生体内の筋活動は通常すべて強縮です。筋繊維タイプ
筋繊維は大きく、速筋繊維(FT繊維)と遅筋繊維(ST繊維)とに分類されます。
FT繊維は短収縮は速く、その張力も大きいもの、ST繊維は短収縮が遅く、その張力は小さいものであります。
最大強縮における断面積あたりの張力もFT繊維の方が大きくなります。
一方ST繊維は有酸素性代謝能力が高く、持久力に優れています。繊維内の酸素運搬にかかわるミオグロビンや、ミトコンドリアでのエネルギー産生にかかわるチトクロームなど、赤色の色素タンパク質を多量にもつため、外観上赤みを帯びていることから、赤筋繊維とも呼ばれます。
FT繊維はこれらの色素タンパク質が少なく、白筋繊維とも呼ばれます。
FT繊維とST繊維は特殊な染色法やミオシン分子種の違いによる識別法に基づき、さらに細かくタイプ分けされています。
染色法と力学的特性に基づく一般的な標記法では、遅筋繊維はタイプⅠ繊維、速筋繊維をタイプⅡ繊維と呼びます。
タイプⅡ繊維はさらに、最も収縮速度が速く、持久力に乏しいタイプⅡb繊維と、タイプⅠとタイプⅡとの中間的で、オールマイティーな性質をもつタイプⅡa繊維とに分けられます。運動単位の動員様式
一般にST繊維を支配する運動神経は、その細胞体が小さく、興奮の域値が低く、運動単位に含まれる筋繊維の数も少ないという特徴をもちます。
反対にFT繊維を支配する運動神経は、その細胞体が大きく、興奮の域値が高く、運動単位に含まれる筋繊維の数も多いです。
通常の筋力発揮を行った場合、まずはサイズが小さく、動員域値の低いST繊維の運動単位から優先的に動員され、筋力発揮のレベルの大きなFT繊維の運動単位が付加的に動員されていきます。
これを「サイズの原理」と呼びます。
レジスタンストレーニングにおける筋繊維の動員様式も、基本的には負荷強度の大小に応じ、サイズの原理にしたがって変動します。
一方伸張性筋活動やクイックリフトなどの場合にはサイズの原理に反してFT繊維から優先的に動員されると考えられています。筋活動の様式
筋の主な活動様式には等尺性(アイソメトリック)、等張性(アイソトニック)、等速性(アイソキネティック)の3つがあり、それぞれに対応したトレーニング法があります。
アイソメトリックは筋の長さが一定のもとで張力発揮を行うもの、アイソトニックは張力が一定のもとで短縮・伸張を行うもの、アイソキネティックは短縮・伸張測度が一定のもとで張力発揮を行うものです。
トレーニングの場合にもそれぞれに準じた動作様式に対応してアイソメトリックトレーニング、アイソトニックトレーニング、アイソキネティックトレーニングと呼びます。力と短縮速度
等張力性および等速性筋活動では、張力と短縮速度とは互いに反比例し、双曲線で近似される関係を示します。
これを力-速度関係と呼びます。短縮と伸張
等張力性および等速性筋活動で、筋が張力を発揮しながら短縮する場合を短縮性筋活動(コンセントリックアクション)、逆に張力を発揮しながら強制的に伸張される場合を伸張性筋活動(エキセントリックアクション)と呼びます。
トレーニング動作では前者は負荷を挙上する動作、後者はブレーキをかけながら負荷を下ろす動作に対応します。
一般に、伸張性筋活動は短縮性筋活動に比べ、より大きな筋力発揮が可能であります。
伸張性筋活動ではあた、サイズの原理に反してFT繊維から優先的に動員されると考えられています。
このため、トレーニング全般においては、伸張性筋活動を十分に利用すること、すなわち、負荷を下ろすときにも十分に筋力を発揮することが重要となります。
またやや特殊なトレーニングとして、伸張性筋活動に重点をおいた方法があり、エキセントリックトレーニングとも呼びます。
一方、伸張性筋活動は、筋繊維の微小な損傷を引き起こし、遅発性筋痛を誘発する原因となります。筋力を決める要因
身体が随意的に発揮できる最大筋力を決める要因には筋横断面積、神経系の機能、筋に占めるFT繊維の割合、の3つがあります。
このうちFT繊維の割合は主に遺伝的に決定され、レジスタンストレーニングによって大きくは変化しないので、トレーニングの主目的は筋肥大と神経機能の改善の2点に集約されます。まとめ
今回は筋肉がどのようにして動くのか、またその種類などについて説明しました。
なかなか難しい内容になりますがトレーニングを勉強したい方はぜひ一読ください! -
ウォーミングアップの重要性
こんにちは!
暑い真夏も過ぎ少しずつ涼しくなってきましたね。
秋になるとやっぱり運動に適した季節ですよね!
外を走るにも家で筋トレするにも気持ちよくできる気温ですね!!そんなスポーツの秋ですがコロナウイルスの影響で身体がかなり鈍っているのではないでしょうか?
そのような状態からいきなり運動をすると身体は急な負荷に耐えられず体調を崩してしまうことになります。
最悪の場合は怪我をする恐れもあります。そんな時に必ず行って欲しいのがウォーミングアップです!
昔から体育の授業の最初や部活の最初はウォーミングアップを行いますよね。
でも実際にウォーミングアップがどれだけ重要でなんでやらなければいけないのかよく分からないですよね。今回はそんなウォーミングアップについて、運動を行う前に行う重要性について説明します!
ウォーミングアップってストレッチすればいいんでしょ?と思っている方は、まずはストレッチの基本からお読みください!
ウォーミングアップとは
ウォーミングアップとは身体を安静状態から運動状態に無理なく速やかに適応させるための運動です。
運動を行う際には体の状態や競技に応じてウォーミングアップを行い、筋肉や関節などの運動器や呼吸循環形、代謝系などの内科的な自己の予防に努めなければいけません。ウォーミングアップの目的
ウォーミングアップとは言葉の通り体を暖める、すなわち体温(筋温)を高めることによって筋肉の働きを活発にし、身体各部を運動に適した良好な状態にすることです。
そこでウォーミングアップの主な目的についてそれぞれ説明します。①運動中の事故・障害の予防
安静状態から急に体を動かすと、体の諸機能に無理や負担がかかり、事故や傷害を発生する恐れがあります。
健康づくりのために運動を行おうとして事故や怪我をしてしまったのでは逆効果です。
主運動の特徴、起こりやすい事故や傷害、運動実施者の特製に応じて適切なウォーミングアップを行うことで、運動による外傷や障害、内科的事故の発生を予防することが出来ます。②主運動のパフォーマンスの向上
ウォーミングアップによって筋温を高めることで、発揮できる筋力の増加や、筋・腱の年生の低下すなわち柔軟性の増加を促す、その結果、身体を動かしやすくなり、運動のパフォーマンスが高まることにつながります。
③主運動に向けての心身の準備
安静な状態から徐々に体を動かしてウォーミングアップしていくことは、主運動に向けての身体的な準備を整えるだけでなく、心理的にも準備状態をつくり、運動への意欲や集中力を喚起させることが出来ます。
④体調の把握
主運動を行う前のウォーミングアップを通して、自分の健康状態や体の調子を知ることが出来ます。
この時点でなんらかの異常や徴候がある場合は運動を中止することも大事なことです。ウォーミングアップの効果
ウォーミングアップによって体の諸器官の働きが亢進することで、次に行う主運動で発揮される能力や成績が高まる効果があることが確認されています。
体温を高めるとともにストレッチングや関節をほぐす運動を行うことで、筋肉や腱の柔軟性が増し、関節可動域が拡大すると、肉離れや腱断裂などの組織の損傷に対する閾値を高め、障害を予防することにつながります。
体温上昇は神経からの信号伝達速度を速め、反応時間を短くする効果も期待できます。
また血液の温度上昇と血流量の増加により、活動筋での酸素摂取効率を高めて、持久力を向上させる効果もあります。
さらにウォーミングアップを行うことで、主運動を始める時点での心拍数、換気量、酸素摂取量が速やかに上昇し、運動開始時の酸素不足から来る乳酸の蓄積を少なくすることができます。
ウォーミングアップ実施場の注意
ウォーミングアップにはちゃんとした目的とそれに伴った効果があるということが分かったかと思います。
しかし実際に行うには注意点もあります!①環境条件に応じて時間・方法・内容を決める
ウォーミングアップでは対応んを上昇させることが重要であります。
そのため季節や時間帯、運動場所によって環境条件が異なることを考慮し、時間、方法、内容を工夫する必要があります。
例えば夏か冬か、室内か屋外か、によってやり方は変わってきます。②主運動に応じた内容を行う
主運動の種類によって、よく使われる身体部位や障害を発生しやすい部位は異なります。
そのためウォーミングアップではそれらを考慮し、主運動で負担のかかりやすい部位の柔軟性を高めるためのストレッチや筋力強化運動を取り入れることが必要になります。③運動強度は漸増させる
安静状態だった身体を動かすときは、負担の少ない弱い強度の運動から始めて、徐々に強度を上げていく、柔軟性をますためには体操やストレッチも始めは狭い可動域で行い、段階的に可動域を広げていくようにした方がいいです。
まとめ
学生時代はなんとなくこなしていた体操やストレッチといったウォーミングアップも怪我の予防やパフォーマンスアップには重要なことだというのが分かったと思います。
特に年齢を重ねると加齢とともに体も衰えていきます。
昔のように全力で運動するにあたってもそれ相当の準備をすることがフィットネスライフを長く続けるには必要なことです。方法などはインスタブラムにも上げているのででひチェックしてみてください!!
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アスレティックトレーナーとは?
こんにちは!
夏も真っ盛りで老若男女問わずボディメイクやシェイプアップに火が付く季節になりましたね!
最近ではトレーニングによってボディメイクを行うという流行があるのかなと思います。
少し前まではダイエット=体重が少ないだけでしたが、筋肉もつけてメリハリのあるボディを求める人が増えてきているなと感じます。そこでジムに通ったりパーソナルトレーニングジムに通ったりという人が多いのではないでしょうか?
そこで教えてくれる人がいわゆる「トレーナー」と言われる人たちです。
ではそのトレーナーとはどういったものなのか?
どんな人たちが行っているのか?
たくさんの人がいて良くわからないですよね。現在の日本においてトレーナーという明確な資格はありません。
一般の方やアスリートを問わずでいうと「パーソナルトレーナー 」や「ストレングス&コンディショニング(S&C)トレーナー」、「アスレティックトレーナー」、そのほかにも「鍼灸師」、「柔道整復師」、「理学療法士」といった国家資格を活かしてトレーナーをされている方もたくさんいらっしゃいます。最初の3つのトレーナーについては資格はありますが国家資格ではなくあくまで民間の資格しかありません。
特にパーソナルトレーナーという資格はかなり曖昧になります。そのため資格を持っていない人でも「パーソナルトレーナー」と名乗ることができてしまうのです。
トレーニング関係の資格だとアメリカのトレーニング団体が発行しているNSCA-CPT、NESTA、NASMなど、日本だと日本トレーニング協会が発行しているJATI-ATIなどといった資格が参考となります。
トレーニングに関してはアスリートやチームのトレーナーとして帯同するS&Cトレーナーとして活かせるのがNSCA-CSCSやJATI-ATIという資格があります。
そしてアスレティックトレーナーという資格に関しては日本スポーツ協会公認(前の日本体育協会)のアスレティックトレーナーというものがあります。
今回はこのアスレティックトレーナーというものについて説明します!
アスレティックトレーナーとは?
アスレティックトレーナーとは日本スポーツ協会(前の日本体育協会)公認の資格であります。
この資格は設立にあたり文部科学省の事業認定もされている信頼度の高い資格になります。アスレティックトレーナーはスポーツ指導者として競技者の健康管理、外傷・障害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーション、体力トレーニング及びコンディショニングの役割を公認された者とされています。
アメリカにおいてはNATA(National Athletic Training Association)という団体において発行されており、国家資格として位置付けられており準医療従事者とされています。
イメージがつきやすく簡単にいうと、テーピングを巻いたり、リハビリを行ったり、プレー中に怪我した際に応急処置をしたりする人です。
(もちろんもっとやることはあります!)現在日本においては約4000人程がアスレティックトレーナーとして認定されています。
資格試験は毎年1回行われ、筆記試験と実技試験を行います。
毎年合格率は約20%ぐらいとなっています。アスレティックトレーナーの役割
ではアスレティックトレーナーとは具体的にどのようなことを行う人たちなのか?
アスレティックトレーナーの7つの役割というものがあるので1つずつ説明していきます。
スポーツ外傷・障害の予防
スポーツの外傷・障害の予防を行うためには、傷害発生の原因となる要因を把握して、競技者の有する傷害発生要因の影響を出来る限り少なくするような改善策を検討することが必要となります。
特定の筋力が不足していたり、左右の筋力のバランスが悪い、柔軟性が低下している、フォームが適切でない、シューズが合っていないなど生涯発生の原因となる問題点を見つけ出し、改善することが傷害の予防には重要となります。
アスレティックトレーナーは必要に応じて競技者に必要な予防対策を検討するために測定評価し、これに基づいて適切なコンディショニングの方法をアドバイスしたり、基礎体力づくりの基本である、筋力、柔軟性、持久性、敏捷性向上のプログラムを作成実施したりします。スポーツ現場における救急処置
アスレティックトレーナーは、スポーツ医科学チームのメンバーとして傷害が発生した時点で最もその現場に近いところにいます。そのため傷害を正しく評価できる能力が必要になりますし、それに対して適切な救急処置ができなくてはなりません。
そして傷害を受けた競技者をドクターのもとに送り、正確な診断を受けさせ、治療プログラムや傷害を悪化させないための保護の方法についてドクターから指示を受けることがあります。アスレティックリハビリテーション
競技者の傷害後のリハビリテーションは、日常生活へ復帰を目標としたメディカルリハビリテーションとは異なり、その目標は専門的な競技活動への復帰です。
そのためアスレティックトレーナーは競技活動を行うためのハイレベルの身体機能を回復させなければいけません。
障害の種類、回復状態、などに合わせて種々の運動療法のテクニックを用いて関節可動域、筋力、筋持久力、全身持久力などの回復のためのリハビリテーションを指導し、競技者の競技復帰の可否の決定権をもつドクターに大して、アスレティックトレーナーの立場からアドバイスをすることも重要な仕事となります。コンディショニング
より高い競技能力の発揮に必要なすべての要因を望ましい状態に整える働きかけを行います。
コンディションを評価しプログラムを作成、実施、管理を行います。
その中にはトレーニング計画や外傷・傷害予防、疲労回復、種目特性を考慮したプログラムの立案が必要となります。測定と評価
外傷・傷害の予防、救急処置、アスレティックリハビリテーション、コンディショニングで必要な検査、測定、評価を行います。
具体的には学生時代に行う身体測定や体力測定も含まれますし、怪我の状態、や競技に必要な能力を測定したりもします。健康管理と組織運営
スポーツ組織内での健康管理に関する各種データの収集と管理、および各スタッフ間との連携体制の確率と組織運営を行います。
教育的指導
チーム、スタッフ、競技者らに対して健康管理に関する情報提供と教育を行い、医科学スタッフの立場としてカウンセリングおよびそれらに対する適切なアドバイスを行います。
特に競技者に対して健康管理に関する教育的指導は重要となります。まとめ
トレーナーといっても明確な資格や定義はありませんが、今日のスポーツ界においてアスレティックトレーナーやS&Cトレーナー、治療家と言われる鍼灸師や柔道整復師、理学療法士など様々な形で働いています。
特にアスレティックトレーナーというのはどのようなものかわかりにくいのですが、アメリカでは準医療従事者として国家資格に認められています。
日本においてもアスレティックトレーナーの数も増えつつあり、アスリートやスポーツ愛好家などの健康管理、パフォーマンスアップ、怪我の予防などと関わっています。アスレティックトレーナーの業務内容も多岐にわたりその分様々な知識も必要となります。
ぜひアスレティックトレーナー、名前だけでも覚えて帰ってください!!
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テーピングの基本理論〜巻く前に知っておこう〜
こんにちは!
ARROWsでは基本的にトレーニングやエクササイズを通じて健康な体づくりを目的としています。
しかしトレーナーとしてはその他にも様々なコンディショニング方法がございます。特にアスレティックトレーナーはスポーツ現場などの仕事も多々あります。
その中でアスリートやスポーツ愛好家などにはトレーニング以外にもケアや怪我の予防といった面のサポートもございます。そこで今回はその中でもスポーツをしている方、もしくはされていた方には身近かもしれない「テーピング」についてご紹介しようと思います。
テーピングは身体を強くするため、合法のドーピングぐらいに思われる方もいるかもしれませんが、実際はその様な目的ではなく基本的な知識がないと怪我の確率を上げてしまうかもしれないということを注意していただきたいと思います。
もちろんテーピングによってパフォーマンスアップを目的とすることはできなくはありませんが、今回はテーピングの基本的なお話をしようと思います!
テーピングの目的
テーピングの代表的な目的は以下の3つにまとめられます。
怪我の予防
主に足関節、手関節、指関節など毎日の練習で使用するものであり、バスケットボール、ラグビー、サッカー、アメリカンフットボールなどでの捻挫予防や、バレーボールの手指の捻挫予防などに用いられます。
応急処置
これは怪我をした直後の患部の安静固定を保つために行うものです。
ただ間違った方法で行うと、痛みの増加や循環障害を引き起こしてしまう可能性があるので注意しましょう。怪我の再発防止
怪我をしたことがある部位に対してその再発を予防することを目的として行うテーピングです。
3つの目的のなかでも一番多く用いられるものです。
受傷後早い時期から行う場合から、繰り返し関節の動揺性が残ってしまっている部位に日常的に行う場合まで幅広く用いられます。テーピングの効果
次にテーピングを行うことによる効果についてご紹介します!
関節の特定の動きを任意に制限する
テーピングを「動くギプス」と表現させることもあります。
テーピングは怪我を引き起こす関節の異常な動きを制限し、靭帯などへの負担を減らす一方で、そのほかの動きにはほとんど制限を加えないようにすることができます。
そのためテープを貼る場所、テープを引っ張る方向、強さが重要になります。圧迫を加える
テーピングはただ単に全体的な圧迫を加えるだけでなく、特定の部位に対して部分的に圧迫を加えることができます。
この効果を利用して行われるのが肉離れや太ももの打撲に対するテーピングです。
部分的に圧迫することで筋肉の伸長ストレスを和らげることができます。痛みを和らげる
関節の動きの制限、部分的な圧迫により痛みを和らげることができる場合があります。
ただし注意して欲しいのはテーピングに治療効果があるわけではないので、怪我直後にテーピングをして運動をすると悪化させる可能性があります。精神的な助けとなる
テーピングを怪我に合わせて正しく行うことにより、再発に対する不安感を軽減させることができます。
テーピングにおける基本的注意点
テーピングを実際に行うにあたって注意しなければいけない基本事項について説明します。
正確な診断
これは再発予防を目的としたテーピングを行う際の大前提です。
テーピングはスポーツ外傷、障害に対して万能ではなく、主に捻挫、靭帯損傷、肉離れ、打撲などに対して用いられます。
そのため再発予防のテーピングの実施にあたっては、外傷の種類およびメカニズムを把握しておくことが重要となります。腫れの有無
腫れのある部位あるいは腫れていることが予想される部位に行うテーピングは、基本的には応急処置を目的としたものとし、必ず一部分を開放した形で行います。
循環障害・筋腱障害
テーピングを無造作に巻いてしまうと、循環障害・筋腱障害を引き起こしてしまうことがあります。
テーピングを行う際は、当該部分の筋腱を緊張させるか、あるいは巻く強さを加減する必要があります。神経障害
テーピングを正確に行えば神経障害を引き起こすことはほとんどありません。
ただし、強い圧迫が加わったりすると神経が圧迫され神経障害が起こる可能性があるので注意しましょう。まとめ
スポーツを行う際には怪我は嫌でも付きものとなります。
もちろん怪我をしないことが一番です。しかし怪我をしてしまった場合、もしくは怪我を再発させたくないなどの予防において「テーピング」という方法はかなり主流になっていると思います。しかしテーピングを行う際には基本的な理論を理解して行わなければ怪我の再発やその他の怪我の誘発にも繋がりかねません。
今回はテーピングにおいての基本概念についてご紹介しました。
さらに具体的な内容については今後アップするかもしれませんのでお楽しみに!!